ブナやモミの自然林に囲まれた渓谷に、大小16の湖、92の滝が点在する。まだ、紅葉の終わりが残っていて彩を加えられて素晴らしい景観の湖畔である。国立公園の高台にある展望台から、渓谷を横たわる湖から溢れ出した水が下の湖に流れ、それがまた下の湖へと、まるで湖に出来た段々畑のように、次から次へと下の湖に注ぎ込んでいく。湖の色は翡翠のようなエメラルドグリーン。湖と湖は無数の早瀬や滝でつながれている。最後の湖を後にした水流は轟音を立てブリトビィッツェ川に落ちていく。大滝と合流してコナラ川となりクロアチアの大地を潤しながらクバ川からサヴァ川、さらにドナウ川へ流れ込み、黒海へ続く長い旅路に向かう。
木道に沿って水辺のハイキングを楽しむ。驚いたのは水辺の美しさ。湖底が見えるほど透明でたくさんの小さなマスが泳いでいる。湖底や倒木や岩も近くにあるかのように見える。あちらこちらで水しぶきをあげ湖に落ちていく。川辺のせせらぎ、滝の流れの響く音、鳥のさえずり、風の音で溢れている。なかなか先に進まない。素晴らしい景観に見とれてしまい、立ち止ってしまう。
公園内で一番大きなコジャク湖からは電動ボートが行き来している。20分ほどに湖畔を楽しみ出口に向かう。素晴らしい大自然を満悦して戻ってきた。 |