町の真ん中に突然、ポッカリと空いた空間が現れた。白い石灰岩の敷石の上に、ローマの列柱の基部が残骸のようにぽつんぽつんと置かれ、そのスペースに割り込むように、巨大なウエディングケーキのような建物がのっそりと姿を見せた。
これが町を代表する聖ドナット教会であった。内部は基本的に円形をしていて、1階、2階とも周囲に8本の列柱が設けられ、丸いドームを支えている。シンプルで祭壇は残っていない。2千年前のローマ建造物を使って、さらに1千2百年近い時を超えて立つ教会は独特の存在感がある。教会の内部は音響効果に優れているため、夏にはここで中世ルネサンス音楽祭の祭典が行われ、コンサート会場として使われる。
聖ドナット教会は1324年完成された。この聖堂の基本はロマネスク様式だが、上部がゴシックで仕上げられている。特に素晴らしいのはファサード。繊細な4重のアーチとバラ窓が特に美しい。
聖クルシェヴァン教会は、外部はロマネスクのアーチがついた後陣が見事である。12世紀に建てられたロマネスク教会である。教会は閉まっていた。外からだけの見学となる。
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